第33期竜王戦 第4局 ▲豊島将之VS△羽生善治 横歩取り 

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲5八玉 △4二銀 ▲3六飛 △8四飛▲2六飛 △2四歩 ▲8七歩 △7二銀

24手目 

後手は△2四歩型にしています。以前は△2三歩型がよく指されていました。△7二銀は後手がひねり飛車模様にしたときに、美濃囲いに組めるようにする狙いです。

▲3八銀 △9四歩 ▲9六歩 △1四歩 ▲1六歩 △5二玉▲3六歩 △6二玉 ▲3五歩 △8八角成

34手目

角を交換すると、先手は▲5六角と打ち、▲1五歩△同歩▲1二歩の攻め筋があります。後手も同様に△5四角と打ち、△1五歩▲同歩△1八歩の攻め筋があります。

▲同 銀 △3三桂 ▲2八歩

37手目

▲2八歩は、あらかじめ角を打ち込まれる隙を消す手筋です。

△1五歩 ▲同 歩 △2五歩▲3六飛 △4五角 ▲1六飛 △2四飛

44手目

現局面は後手の構想通りに進んでいます。次に△2六歩~△2七歩成の攻めに対して、先手がどう対応するかが急所です。

▲4六歩 △5四角 ▲6八玉

47手目

▲6八玉はあらかじめ当たりを避ける手です。先手からは次に▲3四歩△同飛▲5六角があります。

△2六歩 ▲3四歩 △同 飛▲2六飛 △6五角 ▲4七角 △2五歩 ▲1六飛 △4七角成 ▲同 銀 △4四歩

58手目

後手は4筋の歩を切り、△4八歩を狙っています。

▲1四歩 △4五歩▲1三歩成 △7一玉 ▲3五歩 △同 飛 ▲1二歩 △1五歩 ▲1七飛 △4六歩 ▲同 銀 △3六飛▲3七銀 △1六飛 ▲同 飛 △同 歩 ▲6五角

75手目

現局面はやや先手有利。▲6五角は△4七角打ちを防いだ手です。隙がない。

△4三金 ▲1一歩成 △5四金 ▲3八角 △4五桂▲1二飛 △5一銀 ▲4三歩 △4一歩 ▲4六銀 △1七歩成 ▲同 香 △3六角 ▲7九金 △1八角成▲9二香

91手目

角のラインを生かした好手。先手優勢の局面です。

△2六飛 ▲9一香成 △4六飛 ▲4八香 △2六飛 ▲8一成香 △同 玉 ▲8四桂

99手目

この手も厳しく、次に▲9二角成△7一玉▲7二桂成△同金▲8三銀の狙いです。

△6五香▲7七桂

101手目

豊島らしい隙の無い一着。香取りと、玉を8九の地点へ逃がすルートを確保して味がよい。

△5七桂成 ▲同 玉 △5六銀 ▲同 角 △同 飛 ▲同 玉 △3四角 ▲4七玉 △1二角
▲同と引 △6七香成 ▲9三角

113手目

この角打ちで必死です。本局は豊島の完封と言っていいでしょう。

△投了
まで113手で先手の勝ち

評価値

第4局の時点で、豊島の3勝1敗です。豊島のタイトル初防衛まであと1勝となりました。

羽生は局後の感想戦で動き過ぎたと語っています。68手目の△4六歩に代えて△7四角打ちとして勝負すべきだったようです。銀には飛車のヒモがついているので見えにくい手です。

68手目の検討

次に▲3六歩なら、△46歩▲3五歩△4七歩成として1局。

▲5六銀なら、△37歩打ちとして1局です。

第1局の解説はこちら

第2局の解説はこちら

第3局の解説はこちら

おススメの横歩取りの棋書です

竜王戦7番勝負 第3局 ▲羽生善治VS△豊島将之 172手の激戦 戦形 相掛かり

竜王戦第3局の棋譜解説です。

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀 ▲1六歩 △1四歩▲6八玉 △7四歩 ▲7六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩▲7四飛

先手の1歩得に対して、後手は銀を先に前線に送ることができる。

△7三銀 ▲8七歩 △8二飛 ▲7五飛 △3四歩 ▲2五飛 △4四歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △4二銀 ▲3四飛 △4三銀 ▲2四飛 △2三歩 ▲2六飛 △5四歩 ▲5八玉 △6四銀▲6八銀 △5五歩

先手の羽生は2歩得に対して、後手の豊島は中央から圧力をかけることができます。この形での5筋は急所です。

▲9六歩 △4五歩 ▲7七桂 △9四歩 ▲9七角

▲7七桂~▲9七角は大胆な構想です。先手は歩得プラス後手の居玉をとがめようとしています。もちろん後手は△9五歩と反発します。

△9五歩 ▲同 歩 △4四角▲3六飛 △5六歩 ▲8六角 △5七歩成 ▲同 銀 △8五歩 ▲9七角 △9六歩 ▲7九角 △9五香▲9八歩 △3三桂 ▲4八玉 △2四歩 ▲6六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛▲3九玉 △5二飛

現局面は互角。後手からは△3五歩があります。▲同角は△同角▲同飛に△9七歩成▲同歩△9八歩▲同香△8九角の筋です。

▲5三歩 △同 飛 ▲6五桂 △5二飛 ▲6八角 △9二飛 ▲5四歩 △5二歩

後手は中央から圧力をかけていく構想でしたが、逆に先手が中央へ駒を伸ばしています。形勢は互角ですが、後手としては面白くない展開と言えます。

▲2八玉 △9七歩成 ▲同 歩 △同香不成 ▲9三歩 △同 飛 ▲9四歩 △同 飛 ▲9五歩 △7四飛▲9七香 △9六歩 ▲3五角

次に△同角▲同飛成△7六飛なら、▲7七香として飛車を捕獲できます。

△同 角 ▲同 飛 △9七歩成 ▲8五角 △2六香 ▲2七香 △8四飛
▲6三角成 △4四角 ▲3六飛 △2五歩

現局面はやや後手有利に傾いています。△2五歩として、豊島は64手目に突いた△2四歩を生かすことに成功しました。

▲2六香 △同 歩 ▲8六香 △6二歩 ▲8一馬 △8五歩▲9一馬 △2一香 ▲8五香 △7四飛

ここで豊島にミスがでます。△8五同飛とすべきでした。△2一香打も疑問手で、先手は▲2四歩として中合いすることができます。

▲2四歩 △同 香 ▲7五歩 △2七歩成 ▲同 銀 △同香成▲同 玉 △6五銀 ▲7四歩 △3五桂 ▲3八玉 △6六銀 ▲2一飛

▲2一飛が攻防手になり、現局面は先手優勢です。ここから豊島がラッシュを仕掛けます。

△3一歩 ▲6六歩 △2七銀▲4八玉 △3六銀 ▲同 歩 △6六角 ▲5七銀 △6九飛 ▲6六銀 △4七桂成 ▲同 玉 △4九飛成▲5七玉 △4六歩 ▲6七玉 △7五歩 ▲6八桂 △4七龍 ▲5七銀 △5六銀 ▲同 桂 △7六金▲6八玉 △6六金 ▲同 銀 △8七と ▲5七金

ここで羽生は受け間違えてしまいました。代えて▲8七金なら先手優勢を維持。

羽生はこの手を指すときに駒をグリグリと押し付けるように指しました。通称、「羽生のグリグリ」と呼ばれています。

以下、筋に入って後手の勝ちです。

△4八龍 ▲5八香 △7八と ▲同 玉 △4七歩成▲6四馬 △4二歩 ▲5三銀 △同 歩 ▲同歩成 △8七銀 ▲同 玉 △5七龍 ▲同 香 △7六金▲7八玉 △6七銀 ▲投了


まで172手で後手の勝ち

竜王戦第1局の解説はこちら。

竜王戦第2局の解説はこちら。

こちらは相掛かりのおススメの棋書です。

第33期竜王戦7番勝負 第2局 ▲豊島将之VS△羽生善治 戦形 角換わり早繰り銀 玉を下段に落とす好手

棋譜解説 竜王戦第2局 ▲豊島vs△羽生

第1局の解説はこちら

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成▲同 銀 △2二銀 ▲4八銀 △6四歩 ▲3六歩 △6二銀 ▲3七銀 △3三銀 ▲6八玉 △6三銀▲4六銀

局面図

先手の豊島は早繰り銀を採用。次に▲3五歩と仕掛けるのが狙い。

△5四銀 ▲7八玉 △4四歩 ▲5六歩

 先手は▲7八玉型に構える場合と、▲7九玉型に構える場合があります。△4四歩は銀を追い返す狙い。▲5六歩は銀を▲5七に引けるようにしています。

△5二金 ▲6八金 △4二玉 ▲3五歩 △4三銀▲3四歩 △同銀右 ▲3六歩

▲3五歩~▲3六歩までは早繰り銀の基本的な攻め筋です。▲3六歩は次に▲3五銀と進出するための手です。

△1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩 △7四歩 ▲3五銀 △同 銀▲同 歩 △7三桂 ▲5五歩

現局面は互角です。▲5五歩は次に、▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角の攻めを狙っています。

△4三銀 ▲2六飛 △3一玉 ▲5八金右 △2二玉 ▲4一銀 △4二金左▲5二銀不成 △同 金 ▲4六歩

▲4六歩は次に▲3七桂~▲4五歩の順で攻めていく狙いです。

△6五桂 ▲4五歩 △7七桂成 ▲同 桂 △7五歩 ▲5四歩

次に△5四同歩なら、▲4四歩△同銀直▲2四歩△同歩▲7一角△7二飛▲4四角成△同銀▲2四飛の十字飛車が決まります。

△8六歩▲同 歩 △3六歩

△3六歩は先手の飛車の横利きを止めて、次に△7六歩と取り込む狙いです。▲3六同飛は△2七角で馬ができます。

▲5三歩成 △同 金 ▲3四桂 △同銀直 ▲同 歩 △7六歩 ▲3三銀 △同 桂▲同歩成 △同 玉 ▲3六飛 △3四歩 ▲7六飛 △8九銀

豊島は▲7六飛と飛車の横利きを生かしました。しかし、△8九銀が玉を下段に落とす好手で、▲同玉なら△8七銀打ちで決まります。結果的には後手優勢の局面です。将棋AIは63手目の▲5三歩成を悪手と判断していて、代えて▲3四桂を示しており、この順を後述します。

▲8八玉 △7五歩 ▲同 飛 △8六飛▲9七玉 △8五歩 ▲同 桂 △7四桂

84手目△7四桂は羽生らしい羽生マジック的な異筋の寄せ方です。この手でも後手優勢ですが、代えて△7四歩の方がシンプルです。△7四歩なら以下、▲8六玉△7五歩▲同玉△6三桂で詰みです。

▲8七歩 △7六銀 ▲5一角 △4二銀 ▲同角成 △同 玉▲8六歩 △7九角 ▲8八銀 △7八角 ▲8二飛 △5二銀 ▲投了
まで96手で後手の勝ち。

63手目の検討 ▲3四桂とした場合

▲3四桂以下、△同銀右▲同歩△同銀▲5三歩成△同金▲3三歩打△同桂▲4一金

▲4一金は▲3一角打ちを狙っています。この順のほうが優っているようです。

将棋ソフトによる評価値

将棋ソフトによる評価値

角換わり早繰り銀のおすすめの棋書